こんなこともあろうかと!

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はやぶさの設計の冗長性の高さや、いざという時のスタッフの機転はこの上なく素晴らしい。しかしそれ以上に、数々の苦難を乗り越えて帰ってきたはやぶさそのものに、ただの機械以上の何かを感じずには居られない。
Expired
開発者自身の「もはや、機械と思えない」という言葉は、はやぶさに対する愛情の深さを伺わせる。私のようなミーハーが安易に擬人化しているのとは違う。
そういえば一昨年、東海高校の第13回サタデープログラム(2008年6月28日)で「『はやぶさ』がとらえた小惑星イトカワ」っていう講演を見に行ったなぁ。ついでに「月周回衛星『かぐや』」の講演も見たんだったか。かぐやも使命を全うして月に墜落したんだった。
余談だが、第13回サタデープログラムに行ったきっかけは、高校時代の友人のこにたんが「茅原実里が来るので見てくる」と言い出したことだ。そっちは一瞬だけ見た。あと、時雨沢恵一の講演はガッツリ見たw
サタプロに行った時点でイトカワの観測は終了し、既に帰還に向けた運用に入っていた。あれから2年か。この2年ではやぶさは仕事をやりとげたというのに俺ときたらw
サタプロでもらった資料によると、小惑星イトカワは、やや中折れしている500メートルほどの楕円形で、軌道長半径は1.3238AU(AUは約1億5000万キロメートル)、自転周期は12.1324時間。形や大きさや密度は実際に観測して初めてわかった数値らしい。ということははやぶさは目的地がどうなっているかよくわからないお使いに出たってことか。すごいね。さらにイトカワ地表には国際天文学連合承認済みの地名が3つ(ミューゼスの海、相模原、内之浦)、岩塊には10個、各種地形には5つ、クレーターには9つの名前が付いている。すべてプロジェクトにかかわる施設等にちなむ名前だ。
また、はやぶさ自体、イトカワの観測以外に「イオンエンジン」「自律航法」「微小重力下での試料採取法」「耐熱材料カプセル」の技術の実証という使命を持っている。そして昨夜、はやぶさの地球帰還によって、そのほとんどが実証された。
カプセルにイトカワの試料が入っているのか?入っているに越したことはないが、入っていなくても、もはや誰もスタッフを、そしてはやぶさを責めるまい。
はやぶさは燃え尽きた。しかし、JAXAのパンフレットにはこう書かれている。
「今後イトカワ上に『はやぶさ』の名前が永久に残り、『はやぶさ』の探査を記録するものとして呼び習わされることとなります。」
願わくばこれをきっかけに日本の宇宙開発を取り巻く環境がちょっとは改善しますように。